岡崎 哲也代表取締役@テック電子工業株式会社

日本の高度経済成長とともに

弊社は電子計測器、電子応用機器等の製作や組立工程を得意としています。主なお客様は川崎市など近隣の製造業です。父親の先代が昭和46年に大田区でデジタル計測器製造で個人開業したのを皮切りに、昭和48年より川崎市高津区に事業所を移転して法人化しました。第1次オイルショックのさなかでしたがカラーテレビのユニットなどの製造を行い、高度経済成長も相俟って第二工場の操業など着実な事業拡大を行っていました。

平成22年（2011年）の東日本大震災の時、当時主要取引先だったお客様の工場が被災され・・・筐体から金型から全部流されてしまった。日本全体がショックに包まれた年でしたが、先代が亡くなるなど弊社にとっても打撃が大きい時期でした。なんとか持ちこたえて今に至りますが・・・。ちなみに現社長（岡崎様）に交代したのもこの時期です。創業して44年になりますが、色々ありますね。リーマンショックもありましたしね（笑）

弊社の製品でも笑顔を増やしたい、という想い

生まれは神奈川県横浜市の綱島です。子どものころは東京に移ったり、川崎に移ったりしてました。大学卒業後は運送業の会社に就職し、埼玉や栃木にも住んで10年くらいは県外にいたかな。川崎が長いですけどね。サラリーマン時代は父の事業を継ぐつもりはなかったですね。専門分野が違ったし、兄もいたので・・・ただ、父の具合が悪くなって「さてどうする？」となったとき、兄は「やらない」と。じゃあ俺がやるか、となって・・・周りの同僚からは止められました。異業種だったしね。でも、もともと運送業だったせいかかなり精神的に鍛えられてて（笑）。この仕事を始めて大変なことも色々あるけど、大概のことには動じない。サラリーマン時代の苦労が土台になってますね（笑）

仕事をしていて楽しいことは、やっぱりお客様に喜んでもらえることですね。指定納期より早く仕上がったり、ちょっとした改善で良品提案したり、で笑顔になってもらえるのが嬉しい。同友会※1
に参加して「理念を作りましょう」ってなったとき、思いついたキーワードは”笑顔”でしたね。ものづくりでイメージしているのはサイバーダイン社※2の歩行ロボットなんです。ああいう、作った機械が生活を良くする、生活の助けになるっていうのはいいなと。弊社の製品でも笑顔を増やしたい、という想いを大切にしています。

やってみる、動いてみると何か引っかかってくる

いろいろやってみるのが好きなので、自社製品の開発を目指しています。今はドローンの製造にチャレンジしていて、ドローンにプラスアルファで付加価値を持たせられないか検討しています。畑の害獣対策とか面白そう。弊社がある川崎市では、行政も絡んで市民を巻き込んだドローンのイベント企画を行ったりもしているんですよ。やってみる、動いてみると何か引っかかってくる。自分でもRaspberry Pi（ラズベリー パイ）※3をいじったりしてます。

挑戦することで開ける未来ってありますよね。若い世代には夢を持ってほしい。夢があると目標ができて、目標が行動という挑戦につながる。と言っても最近若い世代と交流していないけど（笑）、同友会に参加すると周りからそんな刺激をたくさん受けますね。経営者って、常に一歩前に出ることが大事。同友会はそれを実感させてくれる場ですね。

お話を伺って・・・

ひたむきに挑戦することの楽しさを語ってくださった岡崎社長。異業種からの事業継承はご苦労が多いのでは、と伺うと「クヨクヨしていてもしょうがない。辛いことがあったら脇に追いやって、四の五の言わずにやってみるのがポイント。」と明るく答えてくださいました。座右の銘は「無知の知」とおっしゃられる姿からは、謙虚でありながらも筋の通った逞しさが滲み出ています。創業から現在まで受け継がれる歴史を、未来に羽ばたかせるテック電子工業、応援しています！

同友会※1：神奈川県中小企業同友会　http://kanagawa.doyu.jp/
経営理念作成・新卒採用・助成金活用・ビジネスマッチングなど中小企業の経営に役立つ神奈川県の中小企業家協議会です。

サイバーダイン社※2：サイバーダイン株式会社　http://www.cyberdyne.jp/
サイバーダイン株式会社は、サイバニクス技術が駆使されたロボットスーツHAL®を、医療・介護・福祉、重作業、エンターテイメント等で展開するために設立された大学発ベンチャーです。

Raspberry Pi（ラズベリー パイ）※3：英ラズベリーパイ財団によって開発されたARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。

テック電子工業株式会社
神奈川県川崎市高津区子母口４３５
http://www.techdenshi.jp/