研ぎ澄まされた自分だけの“感覚”と行動力―
倒れるなら前に倒れる
異色の経歴を持つ法律家
行政書士事務所を開業して7年目となります。建設業・宅地建物取引業・産業廃棄物収集運搬業の許可取得を中心に川崎で事業展開しています。行政書士は一般的に独立系資格とされており、私も資格取得後独立開業しました。法曹界の先生方は学生時代から順調に進まれるエリートの方が多い中、私は30前まで役者を目指していたこともあり、フリーターや契約社員を30歳前まで経験しているので異色かもしれないですね。逆に独立開業して事業を展開する上では、その経験が生かされている面はあります。
両親は「勉強しなさい」と言うタイプではありませんでした。しかし祖母が学校の教師であり、父が塾を開いているという環境だったため、小学校入学前からクイズ代わりに算数の問題で遊んでいました。小学校5年生くらいの頃は中学生の問題を解いていましたね。中学校では学校で1番の成績でした。
両親は「子どものやりたいことにお金を惜しまない」という教育方針でしたが、私は高校の頃から勉強から離れてしまったので、だいぶ心配をかけたと思います。
20代後半で親の体調が悪くなり、もうそろそろ危ないかもしれないとなった時、せめて結婚して喜ばせたいという思いもあって妻と入籍しました。同時に家族を養っていく責任も生まれます。昔、夢中で勉強していた感覚を思い出し、仕事をしながら行政書士の資格試験にチャレンジし、一発合格しました。両親に対して「あなた方の教育は間違ってない」ということを証明するためにも、堅実な法律職に進んだという意識もあったのかもしれません。
やると決めたら全力投球、前に進むことが現状維持
資格を取っても実務経験もない、人脈もない状態で、開業して間もなくは経営が安定しませんでした。しかし、失敗を恐れて考えてばかりいても道は開けない。まずは行動してみよう、成功したら返ってくるし、失敗したらそれも経験になる、という意識で進んできました。私はほどほどにやることができない気質で、やると決めたらやる、全力投球するタイプ。全力でやらないと気持ちが乗ってこないばかりか、お客様にもそれが伝わってしまいます。もちろん全力でやっていることもお客様には伝わります。
行政書士は資格取得者のうち成功するのは10人に1人と言われる仕事です。当事務所はエリア内で最も成長率が高い事務所の一つ。守りに入ってばかりいるといずれ弱ってくる。前に進むことが現状維持となる。倒れるなら前に倒れる、前進あるのみ、ですね。
研ぎ澄まされた感覚で、未来を切り拓く
法律職では弁護士・不動産鑑定士・会計士が三大職と言われています。何故ならば裁量が認められており、取扱者の力量によって結果が変わってくる仕事だから。では行政書士は、というと“誰がやっても同じ結果がでないといけない”仕事。そうなるとお客様は何を見て行政書士を選ばれるのか?となりますが、そこで仕事を超えた強みが生きてきますね。
私の主要な取引先の建築関係は、ゼロから信頼と実績を築いてきた叩き上げの方が多く、またご苦労されてきた方は非常に懐が深い。私は毛色が似ているのか、その感覚が良くわかります。私はこの“感覚”をとても大切にしており、強みだと思っています。感覚を頼りにして間違ったということは少ない。たまに失敗することがあっても、それでまた感覚が鍛えられる。私にしかわからない、私だけの“感覚”ですね。
現在は個人事業ですが、いずれは法人化し事業拡大する予定です。具体的な数値目標を持ち10年先を見据えています。今は時代が時代と言うこともあり、抑制された大人しい若い人が多いですが、人間の根源的な“欲”は自己の成長に必要だと感じますね。自分の欲望を前向きに認め、どうやってそれを手に入れるか、そこに到達するか。その獲得するプロセスを全力で考え、行動に落とし込む。その一連の流れがモチベーションになり、目標になり、成長につながっていくと思います。
お話を伺って・・・
法律の先生方特有のインテリジェンスさに、アグレッシブな人間的魅力を兼ね備えた山寺先生。異色の経歴も納得の度量の大きさを感じます。大きなお体によく合う豪快な笑顔と鋭い感性は、高みを目指す山寺先生の強い武器。今後ますますのご発展をお祈りします。
山寺行政書士事務所
http://y-gyousei.com/