ブックマークス 山村社長の写真

「live what you love」
一度しかない人生。それなら好きなことして生きていけばいいじゃない、というのはよく考えています。
選択の時も自分が本当にやりたいことって何なのか?と自分に問いかけることって大事だと思います。

イタリア人の良くも悪くも人間臭いところが好き

きっかけは大学3年生、二十歳の時に一人旅をしたいと思ったことでした。
それまで別に自分の将来についてなんて考えていませんでした。大学進学で上京し、ふと、このまま何にも考えずに生きていっていいのかと思ったんです。それでイタリアに行きました。

なんでイタリアだったのかと思いますよね。一つは車が好きだったこと、二つ目には自分のまわりの誰もイタリア語を勉強していなかったからです。昔から人と違うことをするのが好きだったのかもしれません。

ラジオでイタリア語を一年勉強し少し話せるようになった頃、つたないイタリア語でバックパッカーをしたのがとても楽しくてハマりました。
僕が就活をしたのはちょうど就職氷河期だったんですが、そんな時期にイタリアに行きまくっていたら乗り遅れてしまいました。

そんな中、大好きなイタリアに関わる仕事をしたいと思い、就活サイトで「イタリア」と検索して、イタリアに関わりのある会社を片っ端から受けました。ワイン輸入会社・家具屋さん…その中でイタリアンファミレスの「サイゼリヤ」に内定をいただきました。当時僕はサイゼリヤを知らなかったのですが、人事の方から最終的にはイタリアにお店を出すと聞き、「イタリアに行くチャンスがあるぞ!」と(笑)

入社して途中からは店長として働いて新店開発などにも関わりました。
サイゼリヤってチェーンのお店ですが、上司にも恵まれ、自分の色を出せたりやりがいがありました。今でも週に2~3回は通っているくらい大好きです。
なので、サイゼリヤに不満があったわけではないのですが、違う世界で自分を試してみたいという思いから転職を考え始めました。若いうちにいろんな経験をして、それ以外の人生を見てみたいなと思ったんです。若さってすごく武器だと思うので、今の若い人には失敗を恐れず挑戦してもらいたいですね。

起業のヒントとの出会い

それで何になろうと思ったかというと、全くの畑違いな金融の世界へ飛び込みました。FXのコンサルタントの仕事に興味があったんです。
学生時代にはライブドアショックでえらい目にあったのですが(笑)ネットで株取引もして馴染みがありました。ただ未経験で採ってくれる会社はほとんど無かったのですが、たまたま未経験可で採ってくれる会社があり、奥さんを説得して転職しました。

ここで転機があるのですが、入社した初日に「証券外務員」という資格がないと電話にすら出られないと言われたんです。それで試用期間の3か月のうちに取れないと本採用できないと言われました。面接のとき言ってなかったのにね(笑)

僕はそれまで勉強らしいことなんてほとんどしたことありませんでした。初めは家で勉強していたのですが、寝てしまったり、誘惑も多いのでやめようと思いました。
じゃあどこでやろうかと考えると、家の近くの図書館は仕事が終わったときには閉まっているし、カフェで勉強しようと思っても、自分が店長をしていたので長時間勉強している人に対して申し訳ないけど帰ってもらように促していた側の人間だったので…集中して勉強をすることができませんでしたね。
それで本当に困ってしまって、社会人が案外「気軽に勉強する場所がない」ということ気が付き、今の仕事につながるのですが、その時にはこのアイディアで起業しようと思っていませんでした。資格を取ることが目標だったので。

ひとまず無事に資格を取得することはでき、それから晴れて本採用となり3ヶ月ほど経ちました。今までと全く違う世界に入ったことで、ここでずっとやっていくのって自分にとってどうなんだろうと考えるようになりました。というのも、周りはみんなスペシャリストなんですよね。中途の人は○○銀行から来ましたとか、△△証券会社から来ましたという具合なので、自分だけ「サイゼリヤから来ました。」だから、相当いじられましたね(笑)

そういう環境でもゼロから頑張るぞと思っていたんですけどこの世界に入ってみるとそう簡単な物じゃなかったです。また、マーケットを毎日見ていると、いかに日本の「円」という通貨が世界的に相手にされていないということが素人の自分にも分かりました。当時は中国やインドがすごい伸びてきている時期だったので世界での日本の立ち位置が希薄化してくるんだろうなというのを感じました。だから、その中で働いていることが、年を取った時にリスクになってくるのでは?と思い始めました。同じリスクを取るのならば、今の若いうちに取れないかなと思いがあって、そこで初めて自分で起業しようという思いになりました。

他の社長さんは、何かしたくて起業しようとか、今までこういう経験をしてきたからこれで自分でやっていこうというのが多いと思うのですが、僕はまず「会社を辞めよう」「自分の中でなにができるかな」が始まりでした。何で起業しようかなかなか答えも出ずしばらく悶々と考えていていました。
ただ、ある時発想の転換がありました。今までは自分で何かを生み出そうと思っていたのですが、そうではなくて、「頑張っている人」「これから何かを生み出したい」と思っている人を応援する事、背中を押してあげることなら自分でもできると思ったんです。
そこで、自分が資格取得の勉強をするときに場所が無いと感じたことを思い出しました。

調べていると「自習室」というのがある事を知ったのですが、見学に行くと何処も混んでいて、月に1〜2万円するようなところも埋まっていて自分で勉強する環境に投資しようと考えている人って一定数いるんだなと知りました。
でも自習室は空間が割と殺風景でこの環境は自分の理想に合わない気がしました。

今でも思うのですが、仕事が終わってから定期的に通って勉強しようって人は本当にすごいと思うんです。そういう人が来る場所であれば、少しでもリラックスできるオフィスでも家でもないような非日常を感じられるような空間を作りたいと思いました。勉強だけでなく、人との関わりも広い意味での学びだと思うので、勉強だけをするのではなく、いろんな世界に触れられたり、学んだ事をシェアするとかそういう環境だったら面白いなとノートに妄想を書き出していました。

ブックマークス 山村社長の写真

勉強カフェの担う役割

勉強カフェはイタリアのバール(BAR)をイメージしているんです。
イタリアのバールって、すごい地域に根付いているんですよね。朝昼晩みんな一日の間に何度も訪れて人々とコミュニケーションを取る場です。そういうのが僕は好きだったので一番最初にやりたいなと思いました。
一号店の時は飲食店として許可もとってお酒の販売もして、自分一人で立ち上げたので会員さんと一緒にウィスキー飲みながら話したり、とっても楽しかったですね。
会員さん同士で話す事って付加価値があると思います。「目標設定シート(現名称:MY GOAL SHEET)」※1は勉強カフェを初めてすぐに作ったもので好評いただいてますが、あれによって会員さん同士が切磋琢磨したり、話のきっかけになっています。

企画も、段々と他のスタッフの意見も出るようになってくるので面白いですね。アイディアは極力吸い上げて試していこうと意識してやっています。やってみてダメだったこともたくさんありますが、それも面白いです。
勉強カフェは、勉強自体を楽しい物として感じてもらえるお手伝いができればと思います。

人間は弱い生き物である

僕がビジネスにおいて前提として考えているのは「人は弱い生き物である」という事なんですよ。

正直勉強カフェも、みんなが家で勉強できればいらないですよね。でも必ずしもそうでないのでニーズがあるんだと思うんです。
弱いからダメということではなく、弱いということを自分で受け入れ、「じゃあどうする?」というのが大事だと思っています。

経営者として必要なことって、「自分を磨き続けること」だと思っています。中小企業って99%社長で決まるって言われているんですよ。本当にそう思います。自分の能力が上がれば会社の売上が上がるのはもちろんですが、トップの努力する姿勢が組織全体に対していい影響を及ぼすと思うんです。
自分の思考や行動を変えていかなければ向上しないので、日々修行だなと思います。
勉強し続けるのって難しいと思っているので、勉強カフェも他の人の力も借りながら、お互いに励ましあいながら続けられる仕組みを作れたらと思います。

ブックマークス 山村社長の写真

お話を伺って・・・

「僕も全然続けれられないんですよ。熱しやすくてすぐ飽きてしまうんです。」と、おっしゃる山村社長ですが、最近も肉体改造のために三食の食事の内容を記録したり、社内で筋トレ部を作ったり、継続のために工夫を行っているそうです。「ここでやめたらやってないのと一緒だ!(笑)」と話す姿が、勉強カフェの姿を現しているようでした。


※1「目標設定シート(現名称:MY GOAL SHEET)」とは、目的や目標を壁に掲示することで、自分の目指すものを明示化することと、加えて掲示することで他の会員と繋がることができる。

株式会社ブックマークス
http://bookmarks.co.jp/