Plane Design Works田邊様

泥臭いですが、最後は「そこに愛があるか?」だと思います。

「アイディアにデザインをプラスする」Plane Design Worksとは?

Plane Design Works(プレーン・デザイン・ワークス 以下PDW)は、WEBと印刷の企画・制作デザインを行う個人経営の事務所です。HP制作や、営業ツールのブランディングデザインのほか、WEBと印刷に関するセミナーも開催しています。

依頼者に多いのが、周囲から「HP(ホームページ)つくった方がいいんじゃない?」と勧められた、というパターン。どんな世界観を持って、何を発信して、どんなデザインでいくかという完成イメージは不透明だけれど「HPを自社のチラシや営業ツールにしたい」という要望がある。
こんな時に、お客様のアイディアをよりよい形で具現化するのが私の役目です。

仕事はラブレターづくり

HPをつくりたいお客様にお伺いするのは、「このHPは誰に向けたものですか?」という質問です。
HP作成はラブレターを書くのと似ています。想いを伝える相手が特定されていないラブレターは響きません。出会ったことのない顧客をターゲットに想定する場合も、今までの顧客データを元に一人の顔が思い浮かぶくらいまで詳細にペルソナを設定する方が効果の高いHPに仕上がります。
ターゲットが決定できたら次は内容づくり。「アピールポイントが分からない」場合は、まず自社を知るところから始めます。会社や製品について私と会話をしていると今まで気づかなかった良さを認識できるので、どんどん話が深くなります。「企業理念を一緒に考えてもらえないか」とご相談を受けたこともありました(笑)
「うちの会社はアレも良い、コレも良い」とアピールしたくなったところで気をつけたいのが、「先程設定したターゲットのニーズを満たしていますか?」ということです。

HP作成の過程ではどうしても「相手の存在」が見落とされがちです。「頭が良い人が素敵!」と思う相手の心に「体力には自信があります!」と訴えるラブレターは届きません。
そうして、たくさんのアイディア出しをしてターゲットと内容が確定後にようやくデザインの話が出てきます。どんなテイストにしたいかを言葉で表現するのは意外と難しいもの。頭の中にある「何となくこんな感じ」というイメージをいかに形にするか?そのイメージは内容にマッチするのか?お客様が持っていらっしゃる小物やオフィスや店内にある装飾品なども世界観のヒントにして、デザインをつくっていきます。

Plane Design Works田邊様 お仕事のイメージ

ヒアリングで得た価値を「見える化」する

私の仕事には、お客様のご要望や本音を引き出すヒアリングが欠かせません。この能力が養われるきっかけになったのはPDWを設立後に受けたHP作成の案件でした。
HPを完成させるためには、ひと夏で200件ほど取材に行き、老若男女問わず話を伺って文章をまとめる必要がありました。すぐに話してくださる方もいれば、忙しいからと門前払いされることもあり、話は盛り上がったけれど核心に触れることができないことも。

場数を踏む度に、「この人はこれを言いたいのでは?」と予測しながら話を展開するスキルや、顔色を読む力などが鍛えられていきました。うまく口には出せないけれど実は言いたかったことを、会話の中で引き出すことができるようになっていったのです。
おかげさまで、お客様の話から好みのテイストを予想し、デザインに落とし込んでいく今のスタイルに繋がりました。「好みが反映されている」って大事なポイントなんです。お客様ご自身が愛着を持てないHPはせっかく制作しても更新の手が止まってしまうかもしれませんから。
一方、ツールとして効果の出るものを作らなければ意味が無いので、「お客様のご要望」と「顧客に訴求する客観性」のバランスをとってデザインをするのが腕の見せ所です。
私は完成に至るまでのストーリーづくりがとても好きです。自分の個性を全面に出して価値を発揮するデザイナーもいますが、私の強みは点と点を結び、繋げて、価値を「見える化」すること。
そうして苦労してつくったデザインをお客様に気に入っていただけた時は本当に嬉しいんですよね。

Plane Design Works田邊様

まず、一度食べてみる

うまくお客様の心に入り込んで制作ができたときには、「これだ!」というひらめきが降ってきます。真夜中にひらめいてしまった時には明け方まで作業ということも珍しくありません。私は根っからの職人気質なので、こだわりも強いほうです。
ですが、最近は請け負う仕事が大きくなってきましたし、子育てと両立しながらの仕事なので、作業場の確保と時間の調整が以前よりも必要になってきたと感じています。
起業してから十数年。仕事は楽なことばかりではありませんでしたが、私が大切にしていたのは「まず、一度食べてみる」ことでした。初めての出来事に遭遇したら、まずは味わってみる。飲み込むか吐き出すかはそれから考えれば良い。
食わず嫌いをなくせばどんどん新しいチャレンジもできます。今後は自分のまんなかを大切にしながらも、変化を恐れず、自分の引き出しを増やしていきたいですね。

Plane Design Works田邊様

お話を伺って・・・

小さい頃は漫画家になると夢見るほど絵を描くのが好きだったという田邊様。漫画の他にもテレビや演劇、ミュージカルといったエンターテイメントの世界に惹かれたのは、サービス精神旺盛な性格と相性が良かったからかもしれません。現在のお仕事も「デザインを通してお客様に喜んでいただくこと」ですし、お客様との会話も「いかに楽しんでもらうか考えている」といいます。Plane Design Worksへの満足度が高い秘訣は、完成物のクオリティの高さだけではなく、田邊様と一緒に作り上げていく過程の楽しさにもあるのでは?と感じた取材でした。


PLANE DESIGN WORKS
http://planedesignworks.com/