みんなが「変だよね」と思っている世界が長いこと続いているけれど。
いつか、オセロみたいに形勢がひっくりかえる日が必ず来ます―

一か八かの起業の武器は「TALON(タロン)」

私が起業したのは今から3年前の2014年、37歳のときでした。前職で開発した1つのWebツールを頼りに、3名の技術者とともにスタートさせたのが株式会社HOIPOI(ホイポイ)です。開発したWebツールの名前は「TALON(タロン)」。猛禽類の爪という意味です。能ある鷹は爪を隠すといいますが、「社内の生産を管理するためのソフトウェア」である「TALON」を、会社の強力な武器にしてほしいという願いを込めてつけた名前です。

正直なところ、起業は一か八かの挑戦でした。開発したばかりの「TALON」は知名度ゼロですから全く売れません。営業は私一人です。色々なところに出向いて製品をアピールしましたが、最初の頃はなかなかお話を聞いていただけませんでした。ですが、心が折れたことはありません。

それは「TALONは現在のIT業界が持つ構造的な問題を打破する革新的なサービスであり、今考えられる最良の答えだ」と腹の底から思えていたからです。絶対にお客さまの役にたつという自信と信念があったからこそ、コツコツと地道な営業を続け、1年後にはホームページ経由からのお問合わせも増えるようにりました。

ソフトウェア開発業界の矛盾とは

私はこれまで15年以上に渡って企業向け業務システムの企画・開発・運用を手掛けてきましたが、現在のソフトウェア開発業界には構造的な問題があると感じています。それはお客様が真に求めているものを適切なタイミングで提供することができていないという現実です。

ソフトウェアなどのシステム開発には大きく分けて2つの工程があります。「上流工程」と「下流工程」です。「上流工程」とはお客様が実現したいことを引き出して、どのようなシステムを開発するかという要件定義を行う仕事のことであり、全行程のスケジュールを計画する計画立案、クライアントとの商談やプロジェクトチームのマネジメントなども含まれます。一方「下流工程」とはプロジェクトの後半部分、つまりシステムの構築や実装といった実際の作業を行う工程のことを指します。

問題は、この下流工程に時間がかかりすぎてしまうということです。通常、コンピューターの業務システムを作り込むためには膨大な時間がかかります。社内のリソースだけでは管理できず、困った末にソフトウェア開発会社に依頼しても、納品される頃には既にビジネス環境が変わっており、「こんな機能が欲しかった」「この機能は今は使っていない」というような問題が生じます。また、納品後にシステムを変えたいと思ったときも、システムが複雑なため自分たちでは仕様を変更できず、追加費用を払って再び依頼をしなければなりません。その時に委託会社の手が空いていなければすぐに対応してもらえる保証も無いのです。

超高速開発Webツール「TALON」が業界を変える

こうした矛盾を抱えているのがソフトウェア開発業界でした。至る所に不満の声があがっていたものの、構造を変革することは自分たちの仕事が不要になってしまうリスクが伴います。その矛盾を解決しようと開発されたのが「TALON」でした。「TALON」は従来の開発スピードを最低10分の1に抑える超高速開発Webツールです。ソースコードを一切生成しないため、プログラム言語のスキルが無い人でもマニュアルに沿って操作すれば最短5分で自社に合った管理ツールを作成することができます。難解な作業を削ぎ落としたことで、改造やアップデートも専門家に頼む必要が無くなり、期間も費用も大幅に節減できるのです。

近い将来、ソフトウェア開発業界は必ず変わっていきます。「TALON」が下流工程の手間を縮小し、上流工程に更なるエネルギーを注ぎ込める構造にしたように、内製化や省人化が進み、まるでオセロのように形勢がひっくり返る日が来るのです。私たちは業界にそういったパラダイムシフトを起こしていきたいと考えています。

唯一無二のサービスを社会インフラに

業界内にはいくつか類似したツールがありますが、「TALON」の特徴はこれ1つで完結させられることです。よくあるケースが、「下流工程のある部分は高速化できるが、複雑になったらプログラムを書く必要があります」というもの。対して私たちHOIPOIが誇る優秀なエンジニアの苦心と努力の結晶である「TALON」ではプログラムを書かなくても複雑な業務システムを反映できるのです。

「TALONを入れて良くなったよ!」「応援してます」と、お客様が褒めて下さるときは起業をして良かったと心から思います。以前、あるお客様から以下のような褒め言葉をいただきました。

「こうした管理ツールを10年来探してたんだ。管理ツールのブームもあったし、これなら?と思うものもいくつも試したが、どこか足りないんだよ。でも、TALONは初めて完結するんじゃないかと思わせてくれたんだ」

大手企業のシステム部門に務めていらっしゃるこのお客様は、「TALON」を早速導入し、どんどん自社の状況に合わせてカスタマイズして役立ててくださっています。

今後は「TALON」を社会インフラのような存在にしていきたいと思っています。電気は社会インフラ化しため、現在は全ての人が平等に使うことができています。同様に「TALON」も、多くの人が実際に使っていくうちに結果として標準規格として通用するツールに育っていけば良いと思います。

お話を伺って・・・

「起業や成長したいと願う若い方に何かメッセージをいただけませんか?」と伺ったところ、古関様の答は「情熱だけで良いんです」とのこと。「情熱さえあれば身体は動きます」と。

実は古関様は入社してまだ数年、25歳のいちプログラマーだった時に、「プロジェクトチームが欲しいんです。このプロジェクトを自分の責任でやらせてください」と創業オーナーに直談判したといいます。するとオーナーは快諾。「今考えると、生意気盛りでペーペーだった私によく任せてくれたなと尊敬するばかりです」と笑う古関様ですが、情熱家の部分はその頃から変わっていないようでした。

プロジェクトリーダーとして必死に働き、ボロボロになりながらも成功体験を積み重ねたおかげで、成長という最大の報酬を手に入れた古関様。少し勇気を出して、挑戦してみると全く異なる世界が見えてくるのかもしれません。

株式会社HOIPOI
http://www.hoipoi.co.jp/

超高速開発ツールTALON
https://www.talon.jp/